AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

柏木由紀  AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

AKB48「ジワるDAYS」- 音楽ナタリー 特集・インタビュー

AKB48が3月13日に通算55枚目のシングル「ジワるDAYS」をリリースした。今作は「AKB48選抜総選挙」で3連覇を達成するなど、AKB48グループで確固たる地位を築き上げた指原莉乃(HKT48)の卒業シングルで、初選抜入りの1名を含む全22名が参加している。

音楽ナタリーによる2017年9月公開のAKB48「#好きなんだ」特集(AKB48「#好きなんだ」発売記念 指原莉乃×吉田豪インタビュー – ギリギリのトークから読み解く国民的アイドルの強み)での指原単独インタビューから約1年半、再びプロインタビュアーの吉田豪を聞き手に迎え、今回は指原と柏木由紀(AKB48、NGT48)の2人にインタビュー。ニューシングルの話題はもちろんのこと、指原がAKB48グループを卒業する意味や卒業後の未来、勢いを増す乃木坂46、欅坂46などと比べたAKB48の武器、運営について思うことなど広く話を聞いた。アイドルオタクの一般人だった時代から交流があり、長年のキャリアを誇るこの2人だから話せる数々のエピソードも交えつつ、一時代を築いたトップアイドルの語らいを楽しんでほしい。

「辞めるけど大丈夫なのかな」って人は絶対いない
──この組み合わせでインタビューできるのは感慨深いですね。伝説のハロプロ女ヲタが2人そろって!

柏木由紀 あはは(笑)。あんな田舎者が、こんなおしゃれなスタジオで取材を受けて(笑)。

指原莉乃 やったー!

──それこそアイドルになる以前から、2人は長い付き合いなわけじゃないですか。

指原 そう思うとそうだね。

柏木 確かにヤバいくらい長い。

──そんな指原さんが卒業することについて、柏木さんにはどんな思いがあります?

指原莉乃
柏木 私は普通に友達という枠でもホントに仲良しで、楽屋とかでも一番しゃべるのはさっしーなので、普通に寂しいというのはやっぱりあります。グループのメンバーとしても寂しいんですけど、それ以上の仲のよさがあるので、純粋に寂しいなって。でも覚悟はできてたというか、そんなにビックリはしていなくて。来る日が来たなという感じです。

──これくらい卒業後の未来に安心感がある人も珍しいと思いますよ。

指原 いやー、どうなんですかね。みんな一生売れたいと思ってAKB48を卒業するわけじゃないので。世間の人は「〇〇消えた」とかそういう言い方をしますけど、そんなふうに言われるのもみんなわかっていて、それでも1人でやりたい、AKB48を卒業したいと思うから辞めるんです。「絶対に売れたい」と思って辞める子は少ないよね。

柏木 うん。少ないと思う。

指原 ちゃんと自分の置かれる立場をわかったうえで挑戦する感じ。

柏木 みんな、そこはわかって辞めてるよね。

指原 だから私も別に「卒業して安心」という感じじゃないし、「いくぞ、やったんで!」みたいな感じもまったくないです。

──ただ、指原さんは卒業してもほとんど変化なく活動できそうな、初めてのパターンだと思いますけどね。

指原 そうかな。まあまあ、卒業しても環境が変わらずできる仕事ですかね。

──女優業とか歌手業とかと違ってバラエティだと露出が急激に減ったりもしないはずなので。

指原 うん、そうですね。

柏木 確かに。

──ほかの人たちはもっと不安を抱えたまま辞めていくものなんですかね?

指原 どうなんだろう。不安ではないと思いますよ、みんな。

柏木 だって卒業発表してから、みんな圧倒的に元気になるし、きれいになるし(笑)。

指原 ホント、すごく元気になるよね。

──へー! それってどうしてなんですか? ストレスがなくなる?

指原 いや、ストレスというか、心のどこかで「いつ卒業しよう、いつ卒業しよう」と思って活動してるときは正直しんどくて、でも卒業すると決めると今まで思ってたことをちゃんと伝えてから卒業しようと思えるから、すごくスッキリする。そういう意味ではみんなホント、絶対に卒業が楽しみだったと思います。

柏木 みんなそう見えます。

指原 「辞めるけど大丈夫なのかな」って人は絶対いないと思います。

柏木 ね、いないよね。

指原 で、辞めたあとも「うわ、やっぱりAKB48にいればよかったな」って人も絶対いない。それはグループがダメなんじゃなくて、やっぱり1人のほうがやりたいことをできるからなんですけど、そこはたぶん世間の人は誤解してると思います。誰も後悔してないよね、絶対。

柏木 確かに。

──辞めたら、もちろん露出は減るだろうけど。

指原 でも仕事がなくなったとか、そういうことじゃないんですよね。自分自身と真剣に向き合ったり、人のことを考えたりする時間というのがグループにいたらあんまり……あっという間に時間が過ぎていきますから。

柏木 うん。やっぱり決められたことをこなすのに精一杯で、自分のこと考える時間がないよね。AKB48にいるとどうしても。

柏木由紀
──当然、柏木さんも卒業を考える時期だとは思いますけど。

柏木 私ですか? 考えてないですよ。

指原 ゆきりん、あんま考えてない。

柏木 もう3年ぐらい前に考えた時期が終わって。

指原 ね、1周回ったよね。2人共。

柏木 1周回っちゃった(笑)。

指原 私もそうだし、みぃちゃん(峯岸みなみ)も。一時期、毎日卒業について話してたときあったよね。

柏木 あったあった。周りからも言われるし、お互いも話してた。

指原 もう無理だ、いつになるか、誰が最初かって話してたところから、なんかどうでもよくなる時期に入って。

柏木 話さなくなった。

指原 私だけちょっと先に卒業するけど、2人は1周回っちゃってるもんね。私も1周回ったあと、さらにもう1周したんで。

バラエティ慣れしたアイドルの発言
──そんなわけで指原さんの卒業シングル「ジワるDAYS」ですが、これまでのAKB48の衣装を大量に集めて背景にしたミュージックビデオについて、指原さんは「いいことも悪いこともこの衣装を見ると全部思い出す」とコメントしてました。一体どんな悪いことを思い出したんですか?

指原 悪いことか……私、その場に合わせて適当なこと言っちゃうから、それっぽいことを言っただけで深い意味はなくて(笑)。嫌なことはホントはそんなにないんですよ。

──バラエティ慣れしてるから、ちょっと使えそうなコメントを言う癖がついてるんですね。

指原 私ヤバいよね。インタビューとかけっこうヤバい。

柏木 今日もずっと、マジで心ない(笑)。

指原 たぶん、みんなそれが嘘なんて思わないよね。

──ちょっと面白いこと言ってるから。

柏木 いいことも言って。

指原 そう。いいことも言うし。だからあとでそれを言われると「あ、そんなこと言ったかしら?」みたいな矛盾点が出てきちゃうときがあって。いいこともいっぱい思い出したし、嫌なことというか「このMV変だったな」「不思議なテイストのMVだな」とか、そういうことは思い出しましたね。

──確かに「いい思い出ばかりが浮かんできます」だと使われないですからね。

指原 「悪いことも」を付ければ深みが出るかなと思って。我ながらいいコメントです(笑)。

柏木 あはは! 深み(笑)。便利な言葉だね。

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スキャンダルネタで深みが出た
──カップリングの指原さんソロ曲「私だってアイドル!」は、いかにもな卒業ソングではなく直球のアイドルソングになりましたね。

指原 表題曲(「ジワるDAYS」)に関しては秋元(康)さんと話してないんですけど、こっちは「バラードはやめます?」と連絡が来て。普通なら最後にいい曲を歌って卒業するところですけど。

柏木 絶対そうだね。

指原 「指原はバラードじゃなくてもいいんじゃない?」という感じで、「ブリブリのアイドルソングで卒業しましょう」と。でも歌詞はけっこう卒業ソングっぽいんですよ。今までもらった曲で一番好きかもしれないです。

──それは、その場に合わせてそれっぽいことを適当に言ってるわけじゃなくて。

指原 これはマジ(笑)。もしかしたら昔も同じようなこと言ってるかもしれないですけど、今回はマジなんで。

柏木 更新した?

指原 更新しました!

──でも、今のは本音っぽく聞こえますよ。

指原 あはは(笑)。でも、今回は表題曲もソロ曲もどっちも好きで、いい曲だなって思います。

柏木 いい曲。

──卒業ソングなのに、ちゃんとスキャンダルにまで言及して。

指原 “わざわざ”ですよ! 歌入れ当日に歌詞が変わって、スキャンダルネタを入れられましたからね。

──そうだったんですか(笑)。

指原 そんな歌詞なかったのに当日いきなり歌詞が変わって、そこだけ入ってきたんです。

──「リアリティが足りないから」みたいな。

指原 はい。ありがたいです、深みが出ましたから(笑)。あと、もともとはサビの歌詞が“りのちゃん”じゃなくて“さっしー”だったんですよ。でも「“さっしー”と呼ぶ私のファンはあんまりいないから変えてください」と言ったら「ちょっと考えます」って。秋元さん的には“さっしー”にすることで日本中が応援できる楽曲になるというこだわりがあったみたいで。でも、結局“りのちゃん”にしてくれてました。

柏木 やさしい。

──ファンは後藤真希のことを“ゴマキ”って呼ばない問題みたいな。

指原 そうそう。そういうことです。

今の時代、わざわざCD買いますか?
──今回のシングル、指原さんの卒業ソング2曲だけでも強いのに、カップリングは坂道AKBやIZ4648(IZ*ONE、乃木坂46、欅坂46、AKB48の混成グループ)の楽曲ですし、総力戦って感じもしますよね。

指原 毎回この時期はそうなんですよね、実は。だから私の卒業シングルだからっていうわけではホントになくて、春のシングルは毎回こんな感じだから、そこまで考えてないんじゃないかな。

柏木 うん。そう思う。

指原 しかもIZ4648はミュージックビデオなしだから各々のファンが買ってくれるわけじゃないと思うし(笑)。

左から吉田豪、指原莉乃、柏木由紀。
──そんなものなんですか(笑)。

指原 みんなMVが好きだから。

柏木 そうだね。声だけじゃね。

指原 ネットで買えちゃうし。声だけでCDを買う時代じゃないですから。だから、いつもと変わらぬ“春シングルフォーマット”です。もうできちゃってるよね。春はこう、秋はこうって。

柏木 確かに。

──そこにIZ*ONEが加わったことで何か大きな変化もなく。

指原 それはIZ*ONEへ対しての悪口的な発言ではなく、声だけだから。

柏木 これはね。

指原 これは別にIZ*ONEだけではなく、AKB48のファンも声だけだと……だって今はデジタル時代ですよ。ネットで買えちゃいますから、なんだって。我々Apple Musicファンだもん。入ったでしょ?

柏木 入ってる。配信サービスでしょ。

指原 私も入ったんですよ。今の時代、やっぱり配信が強いし。

──どこよりもCDを売ってきたグループとしては、ちょっと言いづらい発言ですけど。

指原 配信で買えちゃうから便利だよねー。

柏木 便利な世の中だね。

──どうしてもアイドルの楽曲を聴いてると、世間の人がもうCDをほとんど買わないということを忘れがちになっちゃうんですけど、指原さんの客観性は面白いですね。

指原 客観性あります? ゆきりんもそうですよ。冷めてる。

柏木 ちょっと語弊が(笑)。

指原 私も冷めてるし、ゆきりんも冷めてるよね。

柏木 確かに。2人の会話はそうかも。

指原 お互い携帯を触りながら「なんとかだよねー」みたいな。

柏木 気を使わず意見を言いやすい。

指原 そうだね。客観視した意見をお互いにお届けしてる感じ。

柏木 しかも言ってることにすごく共感できるから、なんでも言えるのかも。さっしーならわかってくれるであろう悪口とか(笑)。

指原 基本、悪口だよね。

柏木 マジで悪口ばっかり(笑)。

指原 そう。悪口だけど……。

柏木 傷付けるためのじゃない。

──ボヤキに近いような感じで。

指原 それを言うことで何か変わるようだったら言うんですけど、言うほどでもない内容ですね。

柏木 でも、ちょっとモヤッとしてることを言って共感するみたいな。

プロデュースに生かせたアイドルオタク目線
──やっぱり同じようなヲタ活動を経て、同じようなキャリアを積んでるから、2人の考え方はだいぶ重なる部分があるんですね。

指原 確かにファン寄りの意見が多いもんね。

柏木 そうだね。

──ヲタを通ってるか通ってないかって大きいと思うんですよ。

指原 それはあるかも。

左から指原莉乃、柏木由紀。
柏木 目線的にはアイドルオタクをやっててよかったなと思うことは多々ありますね。握手会では初めて会うファンの方と何をしゃべればいいのかわからないという子も多いんですけど、私はファンとして握手会に行ってた身だから、自分が「こういうことを言われたら素直にうれしかった」と思ったことをファンの方にしてあげたいなと自然と考えられるんです。ライブのセットリストも「こういうのだったらアガるな」と考えられるし、オタクやっててよかったなって思う。生かされてる。

──指原さんも完全にその視点でプロデュースまでできてる人ですもんね。

指原 そうですね。=LOVE(指原がプロデュースを手がけるアイドルグループ)はそうなるようにしています。楽曲も無駄のないように、コンサートでやらない楽曲は作らないようにしています。AKB48はいろんな楽曲がありすぎて、「これはコンサート向きじゃないな」と思うものもあるんです。それがAKB48のよさでもあって、いろんな楽曲を作るのが秋元さんのこだわりだと思うので。でもイコラブは作品を作る時間がないというか、作品としてだったらいいよねという楽曲を作る余裕がまだないので。

──予算や時間があるんだったらいいけど。

指原 そうそう。枚数もいっぱい出せるわけじゃないので、1曲1曲全部使える楽曲にしようとしてます。

柏木 即戦力で。

指原 うん。

──ちゃんとしてますね。

指原 ありがとうございます(笑)。

指原莉乃がいなくなる影響を考える
──だからこそ、指原さんがいなくなることの大きさって相当だと思うんですよ。

柏木 めちゃめちゃ大きいですよ!

指原 それってあっちゃん(前田敦子)のときも(大島)優子ちゃんのときもたかみな(高橋みなみ)のときも毎回あった話だけど、結局今でもグループはがんばってるので、ホントに大丈夫なんですよね。

柏木 いや、でも違うじゃん。

──ただ普通にセンターポジションの人や総監督がいなくなるわけじゃないってことですよね。

柏木 そう!こういう人がまた出てくるとは今のところ思えない。

指原莉乃
──運営に意見を言えて、うまい具合に毒抜きできて、仕事ができる人。

柏木 あとAKB48と外のつながりを作ってくれる人がいなくなっちゃう。だって「紅白(歌合戦)」の現場で五木ひろしさんとめっちゃしゃべるんですよ。そんなことができる人、正直いない! 向こうも普通に「さっしー!」みたいな感じだからすごい!

指原 あー! そうだよね。

柏木 それができる人は正直やっぱりいない。

指原 パワーワードだらけだったね、今(笑)。

柏木 「紅白で五木ひろしさんとめっちゃしゃべる」(笑)。

──誰かが埋められるわけじゃないですもんね、そこは。

指原 確かにそれを実感したのは(明石家)さんまさんとの番組のときで。

柏木 「明石家紅白!」だ(参照:さんま司会「明石家紅白!」に竹原ピストル、山崎育三郎、AKB48、由紀さおり、森山良子)。

指原 そう。そのトークブロックのときに、最初はウチの若手とさんまさんが絡むみたいな感じだったんですけど、後半はやっぱり私とさんまさんのエピソードトークみたいな時間になっちゃうとか。それがディレクターの考えなのか、さんまさんの考えなのかわからないけど、そっちが無理だと思ったからこっちに切り替えたっていうのがあると思うので、そういうときにやっぱり外との接点はね。

柏木 そうなんだよね。それはめちゃめちゃ大きい。

指原 知ってくれている人がいるというのは、やっぱり大きいから。

柏木 しかも大御所の方に知られてても、さっしーみたいな対応は私なら絶対されない。何を言っても大丈夫って安心感はないから。

──ですね。多少雑な扱いをしても大丈夫みたいな安心感が指原さんにはあるわけですよ。

柏木 そうそう、いい意味で。私もAKB48の中では“知ってもらえてる人”扱いだけど、さっしーはレベルが違う。

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乃木坂46、欅坂46にはないAKB48の持ち味
──柏木さんはちゃんとした人ってイメージがありますからね。

指原 そう。ちゃんとしてるもんね。

柏木 いや、それは場所によって。私はイマイチ振り切れないから、そういう意味ではさっしーがいなくなったらめちゃめちゃヤバいなって思います。

指原 だからこそ、最近メンバーには「ずっと明るくいなさい」と言ってるんです、円陣のたびにしつこいぐらい。例えば、AKB48は「FNS歌謡祭」とかで大御所の方とコラボレーションさせてもらうことも多いんですけど、今はAKB48って名前だけでバックダンサーをやらせてもらえているんですよ。そのときにやっぱり明るいと使いやすいというか、「あ、こんなに盛り上げてくれるんだな」と思ってもらうことが大切で。恥ずかしいかもしれないし人見知りなのもわかるけど、それを飛び抜けないとだめだよって。AKB48の名前で使ってもらえるうちに「あ、この子たちホントに明るくて使いやすいな。次もバックダンサーを頼もうかな」と思ってもらえるような人にならなきゃだめだよねって話をしてますね。私もなんとなく明るいから。

──番組に呼べばなんとなく現場を明るくしてくれるんじゃないかって。

指原 そうです。そういうのがAKBらしさで。今……乃木坂とか欅坂にない部分はそこかな。なんて言うんだろう。

柏木 AKB48の持ち味。

指原 うん。AKB48の魅力はそうなのかなって思いますね。

左から指原莉乃、柏木由紀。
柏木 どうしても、がんばったりするのがちょっと恥ずかしいみたいな時代かもしれないけど。

指原 時代だよ、これはもう。がんばってる人に対して「あいつ……」っていう目線。

柏木 「がんばっちゃってるな」みたいな。

指原 ほら、政治的な話になってきてイイね。

柏木 ノッてきたね(笑)。

指原 そういう“がんばってる人を笑う”みたいな風潮がちょっと嫌だよね。

柏木 やだ。昔はがんばってないほうがダメだった。

指原 だんだんがんばってる人のほうが恥ずかしくて、ちょっとスカしてる人のほうがカッコいいって感じになってるから、AKB48はそうじゃだめな気がする。

──48はがんばりが評価されるグループだったはずですからね。

指原 うん。そうなんですけど……時代が変わった。でもこれは別にアイドルだけじゃなくて、全体的にね。

柏木 そうだよね。学校とかでも。

指原 がんばり屋さんはちょっと笑われちゃうもんね。でも、がんばらないとダメだよねっていう話。ももクロちゃんはすごく明るいじゃないですか。ああいうふうに「いたら明るい」って感じがAKB48らしさだったはずだから、そうあってほしいなと思います。伝わってるのかわからないけど。

柏木 ふふ。伝わってるよ。

──微妙に話が違いますけど、ボクが秋元康さん監修の「EXD44」(テレビ朝日の若手ディレクターを育成する番組)の企画で、なぜかカレンダーを出すことになったじゃないですか。

指原 知ってる! あれなんなんですか?

柏木 見ましたよ(笑)。

指原 日めくりカレンダー。あれ、かわいかった。

柏木 めっちゃアイドルやってた(笑)。

──ああいう場を作られたらやり切るしかないですよね。「照れたら負け」「明るく元気に」っていう。

柏木 それ大事。

指原 ホントにそう。みんな絶対にがんばってるつもりなんですよ。でもそれ以上にやらなきゃだめなんだよね。

柏木 そうだね、思ってる以上に。

グループを支える大人たちに思うこと
──指原さんがいなくなったあと、柏木さんは大変そうですか?

指原 絶対に大変ですよ。

柏木 嘘!

指原 本人は「そんなことないですよ」なんて言うと思うけど、やっぱり大変だと思います。

柏木 そうかな。

指原 大変に決まってんじゃん。

柏木 じゃあ、もうちょっとちゃんと捉えないと。マジで楽観的なんだもん(笑)。「寂しいな」はあるんですけど、「ヤバいな」とか「大変だな」は……。

──同じような愚痴を言う仲間がいなくなるだけ。

柏木 それはちょっとショック。

指原 同じ気持ちで共感する人が少なくなって、自分の意見が合ってるのか、みたいな。今までは2人で「これどうなの!?」みたいなこともグチグチ言ってたけど、誰も言わなくなって、ただキングレコードとAKSのおじさんたちが(笑)。

柏木 はー! どうしよう!

左から吉田豪、指原莉乃、柏木由紀。
──ダハハハハハ! 踏み込んできましたね(笑)。

指原 結局おじさんなんですよね、制作の上の方って。クリエイターというか、もちろん実際に作ってくださる方は若い方なんですけど、最終的な指示を出すのは上のおじさんなわけじゃん。

柏木 会社的な人たちね。

指原 そうそう、上の人。ここを変えなきゃだめだよね。今もう、AKB48は。

柏木 どうする? 運営に乗り込む? 私が。

指原 うん、乗り込むしかない。

柏木 (笑)。

指原 そこをしっかりさせるしかない。誰も責任を取らないでこの現状はだめ。それは別にNGTとか関係なく。そもそも誰がまとめてるのかよくわからないじゃん。

柏木 確かに。誰が何を決めてるのか、なんなのかわかんない。

指原 このCDの企画を誰がどうやって動かしてるのかとか、そういうことをちゃんとするべきだよね。

柏木 確かに。

これからはゆきりんが戦う役?
──こういう毒抜きのバランス感覚が絶妙だと思うんですよ。これができる人はなかなかいない。

指原 ゆきりんはちゃんとしていてなかなか言わないから。思ってることはちゃんと思ってるけど、わざわざ言わない。

──この対談だからそれなりに話してくれてるんだと思いますけど、柏木さんが単独取材で運営批判し出したらこっちがビビりますもん(笑)。

柏木 確かに(笑)。

指原 ちゃんとしてる。でもそのちゃんとした意見は間違いなくゆきりんが持ってるし、世間の意見と外れてないから、ゆきりんがこれから運営と戦う役。

柏木 え! ちょっと待って(笑)。

──代わりに戦わされるんだ(笑)。

柏木 様子を見ながら(笑)。確かに変なところはいっぱいありますから。

指原 ただ、大きく変なところとかじゃなくて、ちっちゃいことなんだよね。ホントしょうもないことが変なの。

──それこそグッズのちょっとしたデザインだとか。

指原 そうですそうです。話題にもならないぐらいちっちゃいこと、しょうもないこと。

柏木 そうそう。

指原 以前、生写真でAKB48が毎月季節の野菜を持ってたことがあって。

柏木 あー、あった!

柏木由紀
指原 私はHKT48だから関係ないんですけど、毎月小嶋(陽菜)さんが白菜を持ってたりするんですよ。

柏木 さすがに私も言ったもん。

指原 ごぼう持ってたりするんだよね。

柏木 しかも、めっちゃ土が付いてる。

──それは何かのコラボ企画とかじゃなくて?

指原 じゃないじゃない。ただ単に毎月季節の野菜を持ってたんです(笑)。そういうセンスがね。ファンがそれ見てうれしいの? 「うわあ! ごぼう持ってる! やったー!」とか思わないじゃないですか。そういうセンスがとにかく私は許せなくって。

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「ここがヘンだよAKB」
──ホントに戦ってるんですね。

指原 そういうセンスがマジでない。そういうのがブレてる。

柏木 こういうことの積み重ねだよね。毎日こんな話をしてる。

指原 毎日毎日こんなのが積み重なってイライラするんですよね(笑)。

柏木 ね。

──つくづく、いいコンビですね(笑)。

柏木 楽しい。24時間ぐらいはしゃべれると思う。AKB48のここが変って。

指原 「ここがヘンだよAKB」。特番だよ!

──そのテーマだけで取材やりたいぐらいですよ!

柏木 いっぱいありますからね。コンサートでも。

左から指原莉乃、柏木由紀。
──言えるのは指原さんぐらいですか?

柏木 さっしーは表でも言えるじゃん。

指原 私は問題なく言えますけど。

柏木 ……東京ドームで、みんなで工事現場の人みたいな格好したときも。

指原 上から降りてきたやつでしょ。

柏木 そうそう。

指原 やったやった!

柏木 せっかく東京ドームに立つのに、なんで頭から工事させられるんだって(笑)。

指原 選抜が上から出てくるやつね。

柏木 不思議なことがいっぱいある。

指原 あれも変じゃなかった? 「1830m」でみんなで赤い衣装着て、1期生が壁になって。

柏木 なんだろうと思った。でも若かったから、壁だから目立っちゃいけないと思って顔ずっと動かさないようにして(笑)。

──壁に徹して(笑)。

指原 やってたー。

柏木 一生懸命やってたよ! 不思議なことたくさんあったよね。

指原 AKB48の変だった思い出を全部言ってから辞めたほうがいい?

柏木 代々木体育館“岩が開いたら野菜シスターズ”とか(笑)。

指原 岩が急に開いて、そこからあっちゃんが突然「おはよう」って言うやつね(笑)。

柏木 どういうことだったんだろう? ある意味面白いけど。

指原 そういうこといっぱいあった。

柏木 いっぱい出てくるね。

AKB48は大きくなりすぎた
──聞けば聞くほど指原さんは運営に入るべき人だよなと思いますよ。

指原 いや、でもセンスが違うんで。私、アイドルに対するファンとしてのセンスが我ながらいいと思っちゃってるから、独裁政権になっちゃって絶対よくないと思います(笑)。平等に意見を出し合えないというか、私がどうしても「いや、わかってないじゃん!」と思っちゃうんですよね。相手が正しいこともあるはずなのに、そんなわけないと思っちゃうだろうから、私は運営には入れないです。ある程度人の話も聞ける人じゃないとダメだなって。だから今のおじさんたちでいいんでしょうけど、アドバイザーは必要だよね。

──外部アドバイザーが。

柏木 疑問に思ってないはずだもん。

指原 たぶんね。「いいぞいいぞ」って思ってるよね。

──指原さんはホント、ちゃんと戦う人ですよね。「ラストアイドル」のときも思いましたけど。

指原 ラストアイドルはちょっとひどかったな。ラスアイのことだったらもっと出てくる。

柏木 キリがない(笑)。

──……今回のシングルの話もうちょっとしますか?

柏木 今回はMVがよかったです。

指原 いいよね。芸術作品としてはよくわからないけど、最近のMVはけっこう作品っぽいものが多くて、有名な監督に撮っていただいたりしていて。今回はそっちじゃなくてオタクも楽しめるというか、アイドルっぽいよね。

柏木 アイドルっぽい。

──指原さんは有名な監督を起用するより、アイドルっぽくてオタク寄りの作品のほうが好きなんですか?

指原 私は、オタクなんで。一般の人が興味深く作品として観るとすればやっぱり有名な監督の芸術性の高い作品でもいいんだと思うんですけど……っていうかAKB48が大きくなりすぎましたよね。オタク向けにやるには大きくなりすぎて、いろんなものを見せなくちゃいけない。いろんな楽曲を試さなきゃいけないっていうのがAKB48だと思うんです。

柏木 何が当たって何がはずれかもわかんない。

「秋元康、3年に1回大当たりする説」
柏木 曲についていっつも言うけど、それこそ「恋するフォーチュンクッキー」とかも変だなと思ったし。

指原 やだったもんね。

──さんざん言ってましたもんね。

柏木 私「ヘビーローテーション」も変だと思ってた。

指原 私も!「こんな歌詞? こんなシンプルなの?」って。

柏木 音も、5個ぐらいしか使ってない感じで(笑)。

指原 「えー!」って思う曲だから秋元さんはすごいんですよね。

柏木 すごい。それは頭が上がらない。

指原 私、「何年に1回、秋元康が大当たりする説」みたいな仮説を立てたんですよ。

柏木 えー、知らない。

指原 3年に1回当たるんですよね。

柏木 ヘビロテ、フォーチュン、紙飛行機(「365日の紙飛行機」)……。

指原 サイマジョ(欅坂46「サイレントマジョリティ」)みたいな感じ。2、3年に1回ぐらいのペースで当たってるんです。私、秋元さんにその話したの。チャレンジャーじゃない?

指原莉乃
柏木 すごい!

指原 めちゃめちゃ失礼だと思うんですけど、秋元さんも「あー確かに」みたいな感じだった。

柏木 うん。めちゃめちゃ失礼(笑)。

指原 もう興味ありすぎてしちゃったんですよ。でも、それぐらいの頻度だから。

柏木 今年って「サイマジョ」から3年じゃない?

指原 そうだね。3年経ってるから。

──大当たりの順番がAKB48で来るかどうか。

指原 そうなんですよ。最近、欅坂46とかいい曲が多いのでなかなか難しいですけど。

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坂道グループを見て思ったこと「自分はAKB48だったな」
──柏木さんは坂道グループをどういうふうに見てるんですか?

柏木 坂道ですか?

指原 仲いい子もいるもんね。

柏木 乃木坂46のメンバーでも普通に仲よかったり、新曲が出たらMVも全部チェックする。乃木坂46を一般の人が「かわいい」と言うのもわかるし、欅坂46のコンセプトもわかるし……どちらがいいとか悪いとかではなくて、それでも自分はAKB48でよかったなって思いますね。

指原 そうだね。それぞれだもんね。自分がどこに当てはまるかっていうのあるから。

柏木 そうそう。

──自分はどう考えてもこっち向きの人間だった。

柏木由紀
柏木 「自分はAKB48だったな」と思いながら、坂道グループは全然違うものとして普通に楽しんで見てるぐらい。「サイマジョ」を1回一緒にやったけど、やっぱりちょっとしっくりこないもん。すごいなって思う。あれを全力で毎回やってる欅坂46ってすごい。

指原 どうしても恥ずかしく感じちゃうんだよね。

柏木 あれ? ウチらもだめなのか。がんばることを恥ずかしいと思うのはよくないってさっき話したけど……。

指原 うん。でもあんなに大きく踊れない。

柏木 無理。「このダンスをそんな全力でやるの?」って。

指原 パッと見たときに印象的なダンスをTAKAHIRO(上野隆博 / 振付師、ダンサー)さんが作ろうとしてるから、この動きって一体?と思っちゃうところもあって。だけど欅坂46のみんなが一生懸命に全員が動きをそろえることによって作品として成立させてるわけで。その作品として成立するところまで、私たちはたぶん達せないと思いますね。2人で絶対「いや、このフォーメーション無理じゃない?」とかプチ会議やるよね。

柏木 それぞれだから成立してるんだよね。坂道グループとかがいっぱいできても。

──最近はAKB48のメンバーを取材したときに、「AKB48の武器とはなんなのか」みたいな話になることが多くて。

指原 元気と明るさですよ。

柏木 明るさ、元気、一生懸命。

指原 でも私、こういう風潮がすごく嫌なの。よく今後のAKB48についてメンバーが語るラジオとかあるけど「怖っ」って感じ。明るくて楽しい、バカな話をしてほしいのに。

柏木 マイナスなことは言わないほうがいい。

指原 そうそう。言わないでほしいよね。最近はほかのグループがこうだから私たちはなんとかでって、そういうことじゃなくてもっと明るい話をファンの人が聞けるようにしないと。もちろんみんな考えてはいるけど、わざわざラジオで会議することじゃない。

柏木 別に公で言うことじゃないよね。こんなに明るくやってるのに、30手前の私たちがさ(笑)。

指原莉乃
指原 そうそう。でもそれはメンバーが悪いんじゃなくて、そういうふうな見せ方を作ろうとする大人がズレてるなって最近思う。

──深い話をさせたいって考えたら、ついそういう話題を振っちゃうと思うんですよ。

指原 そうですね。どうしてもそういうテーマを選ぶのは仕方ないんですけど、でも見え方としてアイドルの生身が見えすぎちゃうっていうか。ちゃんと解決してればいいんですよ。最終的にこうしてこういこう、よし決まった!とかじゃないじゃないですか。まだ迷ってる段階だから、その過程を見せるのは違うと思う。

柏木 それを応援しようとは思わないよね、アイドルファンは。

指原 幸せ、多幸感が欲しいはずだから。

──HKT48は、だいぶそのへんはうまくできてると思いますけどね。

柏木 確かに悲壮感ないね。

指原 あんまりそういうのないように言ってるからね。

柏木 アイドル感はすごいある。

──一番ちゃんとバカなことをやってるようなイメージがちゃんとできてる。

指原 楽しくやろうって。

柏木 確かにみんな明るいね。大事大事。

指原 うん。明るいと思う。

柏木 一番大事。

みんな明るく、今を楽しみましょう
──今後もAKB48のアドバイザーをやるべきですよ!

指原 んー。でも、HKT48以外のメンバーとの絡みが少ないというのもあって、やっぱりアドバイスできないんですよ、正直。AKB48はあんまり会わないので。HKT48の子たちには言うこともいっぱいあるし怒れるんですけど、怒るほどの距離感じゃないし。

柏木 普段を知らないと。

──じゃあ、これからは柏木さんにかかっていくわけですね。

柏木 え!? 私?

指原 でも、ゆきりんは明るいから大丈夫。前向きだし、これ悪くとられるかもしれないけど、意外となんにも考えてない。

柏木 マジで考えてないんです(笑)。申し訳ない、正直全然考えてない。

指原 明るいんですよ。マジで。

──悲壮感が全然出ない人ですよね。

柏木 なんにもない。ホントにない。

指原 だから大丈夫、ゆきりんが明るいから。みんながその思考になればいいのになとは思いますね。みんな、そういう感じでいいのにって思う。心配は大人がすることであって、メンバーがすることじゃないんだよね。

柏木 おー!

──いいこと言ってます。これメンバーに読ませるべきですよ!

柏木 ホントにそう。教科書。

指原 もちろん心のどこかではなんとかしようって気持ちはあるはずですけど。

左から指原莉乃、柏木由紀。
柏木 もちろんやる気はあるんですけど、プラス思考に変えて、みんながそうなればいいけどね。

指原 でもファンの人たちからも大人がダメだダメだって言われてるから、自分たちでなんとかしなきゃって気持ちがあるのもわかるんですけどね……って書いといてください。

柏木 みんな一生懸命考えた結果、まだ模索中なので。

指原 そうそう。模索中。

──これからも大丈夫ってことですね。

指原 大丈夫だと思うけどね……っていう感じでなんとなくやってきたので。

柏木 なるようになる。先が見えたことは1回もないもんね。

指原 そうそう! ホントそうだね!

柏木 いつもこれが最後と思って。

──そんな崖っぷちな状態で(笑)。

柏木 ホントホント。

指原 毎回そうだよね。「来年の紅白は無理じゃない?」みたいな感じで。

柏木 「ヘビロテ」ぐらいからマジで言ってたの。いつまでテレビ出られんだろうみたいな感じだったから。別に先が見えないのはずっとなので。

指原 ずっとわかんないから。

柏木 みんな、まだ若いからね。十何年もいると「まあまあこんなもんでしょう」って。

指原 心配になる気持ちもわかるけど、楽しくやりましょう。

柏木 先はわからないから今を楽しんで。

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